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1月 31 2012

ZOOM G3 レビュー

ZOOMのG3をレビューしてみます。
またまた都合上、写真なしです、ごめんなさい。
僕はストンプボックス(足で踏ん付けるタイプ)は好きじゃないのですが、YouTubeでのデモの音が良かったのと、比較的安かったので、恐る恐る買ってみました。

まず、第一印象から・・・

音の第一印象は「おぉ、いい音!」でした。
ノイズも全く問題ありません。
その上、オーディオI/Fは付いているは、バランスアウトはあるは、ディスプレイは3つあるは、フットスイッチはしっかりしているは、もう驚きです。
それに9個のつまみは全て「ロータリーエンコーダー」なのです。
普通、この値段なら間違いなくボリューム抵抗を使います。
スムーズさという点では劣りますが、それでも「ロータリーエンコーダー」がボリューム抵抗より圧倒的に使いやすいのはマニアなら理解できるでしょう。
その上、DAWソフトウェアが付いてくるのですから、ほんと信じられないコストパフォーマンスです。

次に、メーカーのFeatureの「売り」を見ていきましょう

  1. 進化した真空管シミュレーション
  2. 13タイプのギターアンプモデル
  3. 94タイプのストンプボックスモデル
  4. すべてを変える次世代DSP『ZFX-IV』
  5. 最長40秒の録音が可能なルーパー機能
  6. USBオーディオ・インターフェース
  7. 練習やセッションに便利なリズムマシン
  8. 即戦力のギターサウンドをプリセット
  9. DIとして機能するXLRバランス出力
  10. ステージでも、スタジオでも
  11. ペダルボードにG3を
  12. LED表示のギターチューナー
  13. 6時間のバッテリー駆動
  14. 世界最速1msecの高速パッチチェンジ
  15. 徹底した超低ノイズ設計
  16. 足元ですべてをコントロール
  17. 音作りの楽しさがさらに広がる『Edit&Share』

以上17の項目がメーカーのウェブサイトの「Features」のページに書かれています。
それでは一つづつ見ていきましょうか。

1. 進化した真空管シミュレーション
これに関しては「真空管はこんな増幅特性なんですよ」くらいの一般的な説明ですね。
ユーザーとしては結果(音)さえ良ければOKなので予備知識で知っていたら良いかな程度の情報ですね。
ただ、G3には「TUBE」というパラメーターが加わりました。
この「TUBE」は「倍音と音圧感」をプラスするとありますが、具体的に何を変化させるのかは不明です。
「TUBE」のパラメータは0~100ですが、大きい値ほど歪みが増します。
ウェブサイトでの説明で「シグモイドカーブ・クリッパ」という増幅率のグラフがありClean – Crunch – Drive という特性が示されています。
想像ですが、もしかして「TUBE」はClean から Drive の特性を連続的に変化させるパラメーターなのかもしれません。

2. 13タイプのギターアンプモデル
今の流行りから言えば13アンプというモデル数は少ないかもしれませんが、スタンダードなアンプは網羅されていて問題はなさそうです。
でも、Roland のJCは入れておいて欲しかったなとは思います。
もちろん、キャビネット(スピーカー)を他機種のものと入れ替える機能もあります。

3. 94タイプのストンプボックスモデル
これは流行りに乗って多いですね。
ショートカットキーやカテゴリーキーなどはないので選ぶのはちょっと面倒くさいという贅沢な悩みはあります。
あと僕は僕なりにリバーブにはこだわりがあるのですが、イチオシの「HD Reverb」はそれほど良いとは感じません。
もちろん悪くもありませんし、普通です。
逆にその他のReverbの「Hall」や「Air」はが好きです。
特に一般的に「Air」はショートディレイと変わらないのが多いのですが、このG3の「Air」は良いです。

4. すべてを変える次世代DSP『ZFX-IV』
DSP(数値演算プロセッサー)の処理能力が増えたんですね。
これはメーカー側の事情ですが、余裕ができることは良いことですね。

5. 最長40秒の録音が可能なルーパー機能
40秒もルーパーが使えるそうです。
これだけの時間があれば、普通に使えるのでしょう。
今回の僕のチェックポイントの一つです。

6. USBオーディオ・インターフェース
これは今回の僕の必須ポイントでした。
まだ調べられていないのですが、PCへは何Bitで入力できるのでしょうか。
最低24bitは欲しいですね。
16bitだとソフトウェアでディストーションを掛けるには少々辛くなります。
本体内のディストーション系のエフェクトを使う分には16bitでも問題はありません。
おまけに Steinberg の Sequel LE というDAWソフトウェアが付いてきます。
でも、今のところ Ubuntu のPCしかないので評価できません。

7. 練習やセッションに便利なリズムマシン
40種類と若干少なめのパターン数のリズムマシンを内臓していています。
この内4パターンがメトロノームなのでなお少なくなります。
しかし、音も良く、素直なパターンなので使いやすそうです。
メトロノームの音も疲れない音で好感が持てます。

8. 即戦力のギターサウンドをプリセット
100パッチ(10 x 10bank)を内臓しているのですがメーカーとユーザーには分かれていません。
全てがユーザーと言うことです。
しかしもちろん一斉にですが初期値に戻すことはできます。
変更データは自動的に保存されてしまいます
(G3を使ってまだ1日ほどしか経っていないのでパッチの評価はまだできていません。)

9. DIとして機能するXLRバランス出力
コストを考えた場合最初にカットされそうなXLRバランス出力ですが、この値段で装備しています。
Ground Liftの機能もありDIとしても使えそうです。
G3ユーザーで使う人は恐らく少ないでしょうが、設計者、メーカーの気概が感じられ非常に好感が持てます。
このままだともったいないのでXLRバランス出力やGround Liftのメリットや具体的な使い方を説明してくれれば尚更G3の株が上がるのではないでしょうか。

10. ステージでも、スタジオでも
接続するタイプに応じて出力の周波数特性を補正する機能があります。
コンボアンプやスタックアンプのプリアンプ入力やセンド/リターンのパワーアンプ入力、ミキサーやHi-Fiオーディオ機器などのライン入力など、接続先に応じて選びます。
設定できる種類は以下の5種類です。

Output 設定 接続先
Direc ミキサー / Hi-Fi機器
Combo Front コンボタイプ(スピーカー一体型)のアンプの通常のギター入力
Stack Front スタックタイプ(スピーカー分離型)のアンプの通常のギター入力
Combo Power Amp コンボアンプのセンド/リターンのリターン入力
Stack Power Amp スタックアンプのセンド/リターンのリターン入力

この機能はあって当然ですし、逆に無ければ設計者の知識が浅いということになります。
実際は接続先がDirect以外は非常に抽象的にしか想定できないので、どこまで本来の想定通りに補正できるのかはわかりません。
でも普通は上記のように設定しますが、壊れる事はないので好きなサウンドになるように設定しても良いですね。
ちなみにBOSSは最初の3種類ですが、設定数がどうこうとは言えず、当たり前ですが音次第です。

11. ペダルボードにG3を
G3はデフォルトでシグナルの流れは左から右ですが、これを一般的なストンプボックスの入出力方向と同じように右から左に変更できる機能があります。
右から左に設定すると他のストンプボックスと一緒に並べても違和感が無くなります。
チョッとしたことですが、とてもセンスのある機能ですね、お見事。

12. LED表示のギターチューナー
LEDなのでとても見やすいチューナーで反応も早いのですが、あまり性能は良いとはいえません。
僕のハムバッカーのギターで特に高音弦は安定して音程を拾ってくれません。
誤解のないように言いますがこれは程度の問題で、チューニングはちゃんとできます

13. 6時間のバッテリー駆動
電源は、付属のACアダプタ、電池、パソコンのUSB駆動の3種類を選べます。
その上電池もアルカリはもちろん、充電池も使える仕様です(設定が必要)。
電池を長持ちさせるエコモードも備えています。

14. 世界最速1msecの高速パッチチェンジ
G2Nuでは「5msecの驚異的な高速パッチチェンジ」とうたっているのに、G3では「1msec」だそうです。
1msecで、「こりゃええわぁ」って僕には実感はありませんが、エンジニアは頑張っているんですね(頑張り甲斐がないね、ゴメン)。
でもなんていっても驚異的な高速の5msecの5倍のスピードなんですから、新しいDSP、ZFX-IVの威力なのでしょうか。

15. 徹底した超低ノイズ設計
「S/N比120dB、ノイズフロア-100dBm」と凄そうなスペックをうたっているだけあって、実際もなかなか低ノイズだと思います。
ただ、「その副産物として、原理的に発生してしまうハイゲインアンプやファズなどのノイズをあえて残すことにより、使用感まで含めたリアルなモデリングを可能にしました。」とあります。
「そんなんわざわざ残さんでええやん」と思いますが、なんか言い訳のように聞こえてしまいます。
もちろん若干の「シーー」っていうノイズはアンプのリアルさを感じますが、「ノイズをあえて残す」のなら、残すか残さないかの設定を設けてほしいところです。
そんなあまり意味のないリアルさは、そういうのを好む人だけが使えばいいと思います。
通常はそんなノイズのリアリティなんていらないと思います。

16. 足元ですべてをコントロール
本体にフットペダルやフットボリュームを接続することができます。
僕はフットボリュームが付いたマルチエフェクターはあまり好きじゃないんです。
自分の好きなペダルを接続できるので、このG3の様に外付け出来るタイプが良いです。
だって誰でも、ペダルの好き嫌いってあるでしょう。
それにペダルを使わないならその分持ち運びも楽ですし。
(だからZOOMさん、A2.1u じゃなく A2u を出してくださいよ!)

17. 音作りの楽しさがさらに広がる『Edit&Share』
今時、USB接続できるならライブラリアンは必須でしょう。
でも現在、僕のパソコンはUbuntuなのでこのライブラリアンの評価はできません。

総合評価:
このG3は定価が ¥23,100 で実売価格が¥14,000 程度でした。
以上レビューした通り、非常に優秀な性能、スペック、付属品です。
値段を考えれば異常なくらいコストパフォーマンスが高いと思います。

機能的に非常にすばらしいのですが、あえて改善してほしい点をあげてみます。

コンビネーションのものもあるので同時4種類のエフェクト使える場合もありますが、基本的に同時使用は3種類です。
3種類ではこのG3だけで完結させるのはなかなか辛いかもしれません。
まぁ、メーカーも他のストンプボックスとの併用を考えているようなので想定通りと言えるのかもしれませんが。
そこで理想としては、3個のエフェクトの任意の位置に外部機器を挿入できるセンド/リターンがあれば最高です。

もしくはもう一台のG3をリンクケーブルなどで増設できればこれでも最高です。
6エフェクトも使えれば通常のことは何でもできそうです。
たとえば、今の状態でG3をもう一台追加しても次のような問題があります。
・2台めにステレオ信号を渡せません。
・同時にパッチを切り替える事もできません。
・ノイズリダクションを効果的に設定することができません。
それとも5~6エフェクトの上位機種を開発してもらっても良いですけどね。

最後に、ベタ褒めでしたが、これだけは言っておきたい仕様があります。
ノイズリダクションZNR はグローバル設定に入れてほしいのです。
最初に使い始めたときZNRを設定しようとして、グローバル設定内を探したくらいです。
このノイズリダクションだけの為に貴重な3エフェクトの内、1エフェクト割り当ててしまうのはどうかと思います。
ZNRくらいならそんなにDSPのリソースは消費しないでしょうに。
このため、ディストーション系のエフェクト使用時はエフェクトは実質2個しか使えません。
逆にZNRをエフェクト1個に割り当てるとパッチ毎にZNRの効き具合を細かく調節できるというメリットは若干ありますけど。
しかし、これだけは改善してほしいなと思います。

機能中心にレビューしてきましたが、今のところこんなとこですね。
まだ触って一日程度なので十分とは言えませんが、まぁ第一印象と言うことでお願いします。
また使っているうちに、評価は変わる可能性もあります。
音色の評価はそのうちしたいと思いますが、第一印象としてはこの価格帯(実売価格)では最高のクオリティだと思います。
このG3でZOOMの株はアップしましたよ。

最後の最後に一言でいうと、「ZOOM、ようやるわぁ」ですね。

追記:
総合評価で書いた上位機種でも出してくれれば・・・ってもうG5って発表していたんですね。
でも僕の嫌いなペダルがくっついてるやん!
あぁ~あ。

関連リンク
ZOOM G3
使った事のあるエフェクター