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11月 04 2012

ギターアンプ・シミュレーター、もっと分かるように説明してよ!

いつものようにYouTubeを見ていると、「某社のギターアンプシミュレーターソフト」の広告が出ていました。
興味があったのでちょっと検索してみると、あるサイトの広告の中に次のような文が載っていました。
ツッコミどころ満載で「重箱の隅」で取り上げる事にしました。

「◯◯◯◯◯と◯◯◯が共同開発したDIが付属。より良いハムコントロールを行いながらギターのオーディオ信号をローインピーダンスに変換し、アンバランス信号をバランス信号に変換する際、ギターのダイナミクスと原音をフルレンジで維持します。」
「透明感のあるプリアンプ回路によって入力時の広範なレンジをカバーするレベルマッチングを可能にし、更にハイゲイン出力のハムバッキングから低出力のシングルコイルまで異なるピックアップを網羅」

 

伏せ字にしているけど多分その手が好きな人にはすぐにわかるでしょう。
僕はこのソフトは大好きで音の面ではベスト1、2を争うと思うソフトです。
だからソフト名は言っちゃいましょう。
そう、WAVESの「GTR3」です。
そしてこの文章はそのサイト独自のものみたいなので、文章を引用させてもらうのでそのサイトも明かしましょう。
サウンドハウスです。

重箱の隅をつっつく前に言っておきましょう。
GTR3音はとっても良いです。
ただ僕のパソコンでは動作が重い、いや、重すぎますが。
そしてサウンドハウスもとても良いお店です。
たまたまですが、僕はサウンドハウスを本当によく利用します。

では褒めておいたので早速、重箱の隅をつっついてみましょう。

「◯◯◯◯◯と◯◯◯が共同開発したDIが付属。」

まずはこれから。
伏せ字は「WAVESとPRS」。
日本語としては全く問題ないですね。
WAVESはイスラエルのオーディオ処理プラグインソフトウェアメーカーの老舗。
PRSはご存知エレクトリックギター界の両巨塔「ギブソン」と「フェンダー」に次ぐメーカーになろうとする(なった?)「ポール・リード・スミス」。
ちなみにPRSのアコースティックギターを弾いてみましたがまるで美術品のようでしかも音もとても良かったです。
そしてDIはダイレクトボックスの事。
僕はDIを持ってもいないし使ったこともないので100%理解しているとはいないけれど、常識的に説明してみましょう。

ダイレクトボックスとは何か。

通常AはBには直接接続できない物をこのDI「直接箱」でA→DI→Bと繋ぐことができるようになる。
そういうアダプターをDI「ダイレクトボックス」と言います。
経験のない僕が言うのはなんなのですが、一般的に良く使われるのはベースをDI経由でコンソールに繋ぐのが一番多いんじゃないでしょうか。
あとはギターも稀にDIで直接コンソールに繋ぐ事もあるのかもしれません。
スティーブルカサーがそういう風にしてクリーントーンを録音したとインタビューで言っていました。

なぜDIがないと直接繋げないのか?

それは信号のインピーダンスが違うからのなのですが、一般的にエレクトリックギターは高(ハイ)インピーダンスで、コンソール/ミキサーは低(ロー)インピーダンスです。
エレクトリックベースに関してはプリアンプを内臓しているタイプも多いのでそういうのは直接繋げるのかもしれませんが、持っていないので未確認です。

インピーダンスというのは交流信号に対しての抵抗値なのですが、ここでは説明しませんし、僕にはできません。

インピーダンスが違う、特にローからハイに繋ぐと周波数特性(音色)が変わったり、入力ゲイン不足だったりします。
逆にハイからローに繋ぐと問題ない場合もありますが、入力オーバーになったり、やはり音質が変化したりもします。
ちなみにギター用のストンプボックスはほとんどハイ入力、ロー出力ですが、それら同士を繋いでもロー→ハイ接続になりますが普通は問題ありません。
ストンプボックスは入力がハイ(ギター)とロー(前段のストンプボックス)の両方のインピーダンスの条件で設計されているからでしょう。

話を元に戻して普通はエレクトリックギターやプリアンプを内臓しないエレクトリックベースはインピーダンスの違いからコンソールに直接繋げないのですが、DIを介してインピーダンスを合わせると繋げるようになります。
DIには無電源のトランス式とバッテリーなどの電源が必要な電子式があり、それぞれパッシブ方式/アクティブ方式などとも言います。
電子式、アクティブ方式は要するにプリアンプで、このWAVES / PRSのDIはこのタイプです。

「より良いハムコントロールを行いながら」

なんか奥歯に物が挟まったような言い方で分かり辛いですよね。
この言葉の本質を理解できる人はいるのでしょうか?

「ハムコントロール」とはなんでしょう?
ハムはハムバッキングやハムノイズのHUMで語源はハミングからだそうで、つまり「ブーン」という音のノイズですね。
これは商用電源の50Hz/60Hzの電磁波を拾った時のノイズです。

ということでここでは「ノイズコントロール」言い換えることができます。
でもまだ意味がわかりませんよね。
まぁ、ノイズを抑えると言うことなんでしょうが、それなら

「より良くハムノイズを抑えながら」

でいいんじゃないでしょうか?
もっと言うならノイズはハムノイズだけじゃなく蛍光灯なんかの電磁波ノイズもあるのだから

「より良くノイズを抑えながら」

でいいと思います。
それとも単純にノイズを抑えるのではなく「ハムノイズをコントロール」するという何か奥深い意味があるのでしょうか?
僕にはその辺は計りしれません。

「ギターのオーディオ信号をローインピーダンスに変換し、」

これは問題ないのでしょうが、ギターのオーディオ信号なんて大げさな表現してると思います。
基本的にギターの信号はオーディオ信号しかないんだから、「ギターの信号を」でいいでしょう。

「ローインピーダンスに変換し」はさっき説明した通りですね。

「アンバランス信号をバランス信号に変換する際、」

ギターはギターケーブルのプラグを見たら分かると思いますが、信号線が中心に1本、その周りにアース側の信号が1本で計2本で出力されています。
そのように2本で出力する信号をアンバランス信号/アンバランス出力と言います。

対して、プラス信号、マイナス信号、アースの3本で出力する方式をバランス信号/バランス出力といいます。
信号線が2本でバランスをとっているのでそういう名前なんでしょう。
バランス信号にノイズが混入してもプラスとマイナスを加算するとノイズだけがキャンセルされる構造ためノイズに強い方式です。
その考え方はハムバッキングピックアップと同じです。
そういう意味ではハムバッキングピックアップをバランスピックアップと言えるかもしれませんね。

ということでこの部分には何の問題も違和感もありません。

「ギターのダイナミクスと原音をフルレンジで維持します」

まるで英文を直訳したような日本語ですね。
いや、ほぼ間違いなく英文マニュアルか英語のウェブサイトの文を翻訳したんでしょう。
通りで日本語として変な理由がわかって何となくすっきりしました。(^_^)

そんで、「ギターのダイナミックス」とは「ギターのダイナミックレンジ」と言い換えられます。
音でいうダイナミックレンジとはノイズに埋もれない小さな音から歪まない最大音の幅(レンジ)の事です。

「原音をフルレンジで」のフルレンジとは音量(ボリューム)と受け取れないこともないのですが、先にダイナミックスとして取り上げているので、こちらは多分周波数特性ことでしょう。

ここで言っているのは、ダイナミックレンジも周波数特性も維持する、つまり、「ギターの音にノイズも歪みも加えないし、音色も全く変えない」ということです。
「原音」だけで全てを意味するので「原音を維持する」でもいいのでしょうが、「維持する」いかにも英語的なので「原音を忠実に」がいいです。

「以上、全てを組み合わせると・・・」

「◯◯◯◯◯と◯◯◯が共同開発したDIが付属し、より良くノイズを抑えながらギターの信号を原音を忠実にローインピーダンスのバランス信号に変換します。」

か、普通ギターはハイインピーダンス、バランス出力はローインピーダンスなのでそれを省略して、

「◯◯◯◯◯と◯◯◯が共同開発したDIが付属し、より良くノイズを抑えながらギターの原音を忠実にバランス出力することができます。」

くらいじゃないのかな。
短くなっちゃって、迫力ないかな。
でも分かり易いでしょう?

「◯◯◯◯◯と◯◯◯が共同開発したDIが付属。より良いハムコントロールを行いながらギターのオーディオ信号をローインピーダンスに変換し、アンバランス信号をバランス信号に変換する際、ギターのダイナミクスと原音をフルレンジで維持します。」

だと言いたいことが非常に分かり辛いし、なんか難しい言葉を使って素人を煙に巻こうとしているように感じます。

 

ここでちょっと一休み・・・